不動産投資の初心者に教えたい戸建て投資に向く立地の見分け方
前回の記事では「戸建て住宅の不動産投資は儲からない」という考えを示しました。
築古のボロ戸建てでも厳しいという話をさせてもらいました。
https://im-movable.com/2020/07/30/post-72/
ただ、この話は不動産鑑定士という私の職業柄、普段から超保守的な目で不動産を見ているのでこのように思うのかもしれません。
そこで、「ある程度のリスクは覚悟して投資するゼッ!」というアツい投資家の方のためにアドバイスを考えてみました。
初期投資額を抑えられるという意味からすれば、過大な金額を投資すべきではない不動産投資の初心者の方には検討に値する投資の可能性があるからです。
「耐震性」の危険や「アスベスト」などの有害物質を考えないものとして、私からのアドバイスは「ボロ戸建ての不動産投資に向く立地の見分け方」です。
【病院の近く】
これは付き添いの介護の人用の賃貸住宅です。
意外に病院のそばには良いホテルがありません。
またホテルだと滞在費用が高くなるものです。
「病院の近くにあって、きれいで快適な家があってしっかり休むことができる」
こんな戸建ては需要があると思いますし、普通の戸建ての1ヵ月分の家賃よりも少し高くても借手が付くかもしれません。
【グローバル大学の徒歩圏】
文部科学省が「グローバル大学」を指定しています。
「この大学は残すけれどもこれ以外の大学は淘汰する」と宣言したようなものです。
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/sekaitenkai/1360288.htm
このグローバル大学に指定された大学の近くであれば一定の学生の数が見込めます。
そして、学生の中には「戸建を2人でシェアしたい」という人もいるかもしれません。
さらにグローバル大学は外国人留学生の受け入れも積極的です。
外国人学生の親や親戚が時々日本に訪ねてきます。
その時に一緒に住めるような家だったらとても良いと思います。
このような人たちが借りてくれれば空室リスクが少なくなりますね。
【アウトレットモールの近く】
たいていのアウトレットモールは田舎に立地します。
このモールの各お店の店長は土日も夜遅くまで働きますから、モールの近くに適当な住まいが欲しいと思うのでは?
もしくは、従業員向けに確保したいと思うかもしれません。
このような立地の戸建てに「思い通り」の借手が付けば空室リスクは少ないと思います。
【大型ホテルの近く】
アウトレットモールと同じくこれもホテル従業員の便益のためです。
シフトの従業員が泊まるための施設にちょうどいいかもしれません。
あるいはホテルのマネージャーの人などは仕事が忙しい時期に泊まるホテルの代わりになると思います。
うまくいけばホテルが一定期間借りてくれるかも♪
【地方観光都市】
地方都市で人口が少なくなって過疎化している村が日本全国にはたくさんあります。
そこで地域活性化のために国や県から補助金が出され「村おこし」活動も見られます。
それでも「地域経済が活性化しない」「観光客は増えているのに観光収入が増えない」ということがよく見受けられます。
その理由は「宿泊施設」がないからです。
日帰りでランチだけ食べる場合と、一泊して温泉につかる場合では観光客を落とすお金は10倍ぐらい違います。
そうなると、地方都市に宿泊施設を作らなければいけません。
けれども地方の村や町にそんなお金はありません。
また、そんな過疎地にわざわざホテルを建てる会社もありません。
そこで注目されているのが「地域全体をホテルにする」という考え方です。
村の中の古民家や使っていない住宅を「民宿」として観光客の方に使っていただくのです。
山梨県の小菅村はこうした分散型ホテルをやっています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000044852.html
ボロ戸建ての改修費に一定の補助金が出るのなら、このような地方観光都市で投資家になってもいいかなと思ったりします。
不動産という「ハコ」を用意しても誰も使ってくれなければ、それは失敗です。
逆に言えば、不動産投資が初心者の方であっても、使ってくれる人がいると見込める「立地」に少ない初期投資額で不動産が手に入れることができれば、もうニヤニヤが止まらないでしょうね(笑
ちなみに、上記の立地のうち私だったら、賃貸需要が比較的「安定的」と思われる「病院の近く」「グローバル大学の徒歩圏」に絞り、定期的に空き物件をチェックすると思います。