不動産投資の初心者がワンルーム投資で融資を受けるにあたって

2020年8月30日

実物不動産投資のなかで比較的少額ではじめられる「ワンルームマンション」投資
不動産投資の初心者の方もこのワンルームマンション投資を検討している人は多いのでは?


ただ、ほかの実物不動産とくらべれば確かに少額ですが、現金一括で購入する方はまれで、たいていの方は金融機関から融資を受けて物件を購入します。
その融資を受けるに当たって、物件購入者のほとんどが売主不動産業者の「提携ローン融資」を利用することになります。

さて、この提携ローン融資は低金利でフルローンの長期融資が組めるので多くの人が利用していますが、この「提携ローン」融資は利用したほうがいいのでしょうか?

 

結論を言えば、「提携ローン」融資は利用したほうがイイと思います。

そもそも「提携ローン」とは、一定の不動産業者が売主になった場合に使えるローンのことです。

なので、どんな不動産業者でもこの提携ローンが使えるわけではありません。
その不動産業者の取引実績や金融機関との良好な取引状況があるからこそ「提携」を結ぶことができるわけですし、提携ローンでの融資を利用することができます。

また、提携ローンを使うためには基本的にその不動産会社が「売主」となっている物件でなければなりません。
逆に言えば、一般的な「仲介」物件では提携ローンを使うことが難しい場合が多いです。

では、不動産業者が売主になっていない場合の物件の購入を検討しているときや、売主物件であっても不動産業者が提携を持っていない場合はどうしたらよいか?
例えば、不動産のポータルサイトに掲載されている「仲介物件」がそれに該当します。

その際には、購入予定者が金融機関と直接連絡を取って、物件資料や自身の財務資料などを提出したうえで融資(プロパーローン)の審査してもらうことになります。
とはいえ、何の経歴もない個人が賃貸経営をゼロからスタートするわけですから、融資をしたとしてもその返済が滞るのでは・・・という「リスク臭」がプンプンするため金融機関も非常に厳しく審査します。

ですので、

  • 低金利での融資がむずかしい
  • 多額の頭金が要求される
  • 融資年数が短期間に設定される
  • そもそも融資不可となる

と、思ったように融資を受けられないパターンが多いです。

 

なぜ提携ローンだと有利な条件で融資を受けられるのか?
「投資用のワンルームマンションなどの実物不動産の購入」という行為自体は同じなのに、なぜ「提携ローン」融資と「プロパーローン」融資で大きな違いが生まれるのでしょうか?

それは金融機関の「トラブルを避けたい」という理由が大きいです。

仲介物件は、売主が一般オーナーのパターンが多いです。
となると、購入後(引渡し後)に何かトラブルがあった場合に売主に責任追及するのが難しい場合が多く、仲介会社はあくまで物件引渡しで仕事終了なのでその後のフォローが期待できません。
つまり、買主はトラブル時に泣き寝入りとなる場合が多く、その場合に融資している金融機関にもトラブルの火の粉が降りかかる可能性があります。


なので、万が一そういったトラブルが起きた場合も売主の不動産業者がトラブルを処理してくれれば金融機関としては安心して融資できるわけです。
また、買主に何かあった場合には売主である業者に責任追及もできるので、融資をする金融機関としてはさらに安心というわけです。

「買主に何かあった場合」というのは、例えば買主が物件購入後にローンの返済を遅延したり、債務不履行状態(返済しない)などの状態に陥った場合です。
そんな場合、金融機関はその債務不履行(デフォルト)物件を売主に買い取るよう指示したりもしてきます。

このような事情を背景にして、不動産業者は売主責任を負うことで買主は「提携ローン」により低金利で長期のフルローンを提供できる仕組みになっているのです。

では、なぜ不動産業者はわざわざ「売主責任」を負うのか?

それは、実物不動産を売却したあとも買主との付き合いを継続させるためです。

つまり、提携ローンを使って特定の不動産業者から実物不動産を購入すると、基本的にはその売主の不動産業者がその物件の賃貸管理を行うことになり、長期的にみれば賃貸管理手数料を得ることができます。
このように、普通の売主不動産業者であれば「その後の管理」のことまで考えて実物不動産を販売するわけです。

また、提携金融機関としても販売後のフォローまでしっかりとやってくれるので安心できるわけです。

このように「提携ローン」融資を利用することは、

  • 買主(投資家)としては低金利で長期のフルローンが利用できる可能性が高くなる
  • 売主(不動産業者)としては長期的に安定した収益獲得手段が確保できる
  • 金融機関としては安心して融資ができる

と、「WIN-WIN」ならぬ「三方良し」となるわけです。

※本来、「三方良し」は「売手良し・買手良し・世間良し」ということなので、厳密にはチョット意味合いが違いますね(苦笑

プロパーローンであっても個人の属性が高ければ有利に融資を引くこともできますので、一概に提携ローンが絶対良い!とは言い切れません。
でも、一般的に提携ローンの方が金利も安く有利に融資が組めるのは間違いありません。

また、将来、投資物件を処分することになった場合、提携ローン融資により購入した物件なら不動産業者の買取(提携ローンを利用した再販売)という出口戦略の選択ができます。
しかし、仲介物件の中には一般的な提携ローンの金融機関がそもそも融資しないような物件が含まれていたりするわけで、仲介でそのような物件を購入してしまうと、いざ物件を売却する際に業者の買取(提携ローンを使った再販売)という出口が無くなってしまい、大きく価格が下がる懸念があります。
仲介で物件を購入する際はご注意を・・・

以上の理由から実物不動産投資のために物件を購入する場合は「提携ローン」融資は利用したほうがイイと思います。