不動産投資の初心者が理解しておくべき不動産の特性

不動産投資の初心者が理解しておくべき不動産の特性としては

  • 不動性(持ち運べない)
  • 個別性(全く同じものはない)
  • 永続性(基本なくならない)

といった基本的なことがあります。

 

しかし、不動産投資に関していえば

  • 収益性(お金を生み出す)
  • 非市場性(値段がわかりにくい)
  • 換金困難性(すぐにキャッシュ化しにくい)

といった特性が不動産にはあることを理解しておくべきです。


まずは「収益性」について。

あなたは希少なヴィンテージ物のクラシックカーを持っていたとします。
このクラシックカーはご自身で使用するか、防犯体制が整った車庫に保管しておくかのどちらかだと思います。
その間、このクラッシクカーはお金を生み出すことはありません。

でも、不動産は貸し出すことで賃料を得ることができ、長期的・安定的に収益を獲得することができます。

ちなみに、この安定的な収益を獲得するために「新たに不動産を購入しなければならない」というわけではありません。
すでに手元にある不動産を利用して収益を生み出す体質にすることもあり得ます。

つまり、例えば実家の土地に駐車台数3台分くらいのスペースが取れ、周辺では駐車場需要が見込まれるのに、駐車場自体が少ないなら、これを駐車場にして貸し出す、というものです。
不動産投資でネックになる初期投資が抑えられる方法の一つです。

次に「非市場性」について。

不動産鑑定士の私が言うのも何なのですが、不動産には価格があってないようなものです。

つまり、ある不動産があったとします。
所有者(売主)はすごく愛着がある不動産なので(例.実家だからとかいった理由で)、売るにあたっては相場以上の値段(価値)はあるはずと思ってます。

一方、立地がいいことからこの不動産を購入して収益用不動産として利用するために購入を検討している買主がいたとして、この買主は周辺賃料相場や想定される費用をはじいて購入価格を計算します。
おそらくこの買主が計算した価格は「相場並み」か、それをやや下回る水準になるでしょう。

このように物質的には一つの不動産でも値札が付いているわけではないので(つまりマーケットが可視化できないので)、その見方・考え方によって値段(価格)は一致しないことが多々あります。

だから私のような不動産鑑定士の存在意義があるわけなのです。


最後に「換金困難性」です。

株式は売ればすぐにお金に変えることができます。
ルイヴィトンのカバンや高級腕時計なども質屋に持っていけばすぐお金になります。

だけど、不動産というのは今日売りたいといっても明日お金に変えられるとは限りません。
長ければ、数ヶ月単位とか数年単位かかると覚悟しておいたほうがいいと思います。

ですので、自分が持っている資産のほとんどの不動産に変えてしまうと、手元に現金(キャッシュ)が全くない!というケースもあり得ますから、資産の持ち方は慎重に考えておくべきです。

不動産投資に当たっては理解しておくべきとても大事な特性です。